先天性ミオパチー PR

5年ぶりの側弯評価

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小学校6年生になるネマリンミオパチーの長男。

来年の中学校入学に向けて、本人も私たちも「今」の身体状況について把握しておきたいと思うようになりました。

そういえば、確定診断を受けたときにいくつか検査を受けたものの、もう5年以上再評価はしていない…。

ということで、神経科の先生と相談して、いくつか再評価をしてみることに。

その中の1つ、側弯。

これ、神経筋疾患のお子さん(もちろん低緊張のお子さんも)に発症のリスクが高い病態なんです。

だからこそ側弯ついての知識は必要!

おさらいながら共有していきたいと思います!

側弯についてのおさらい

側弯という病態は、言葉通り脊柱が左右に湾曲した状態のこと。
回旋(ねじれ)を伴うことも多いです。

早期発見がとても大切なので、毎年行われる小学校の運動器検診にも側弯の検査が必ず含まれています。

側弯の原因

側弯の原因として代表的なものは以下の5つです。

特発性側弯症
原因がよく分かっていないもの。
実は側弯の原因で最も頻度が高いのがコレ。すべての側弯症の80%~85%を占めるというのだから驚きです。思春期女子に最も多くみられます。

先天性側弯症
胎児のときに脊椎の異常が生じることで、脊柱が正常に形成されないことが原因です。

神経筋性側弯症
筋肉や神経の異常が原因で、脊椎を支える力が不足し、側弯が進行します。
先天性ミオパチーの子の多くはここに当てはまります。

変性側弯症
加齢に伴う椎間板や椎骨の変性によって発生。高齢者に多い。

外傷や感染、腫瘍
脊椎の外傷や感染症、腫瘍によって脊椎の構造が変わることが原因となるもの。

先天性ミオパチーの子の場合は、もともとの筋力の弱さ、筋肉の緊張の低さ(低緊張)があることから側弯を発症するリスクが残念ながら高いです。

側弯の評価

見た目である程度の側弯は分かりますが、正確な評価にはコブ角という指標を使います。
コブ角はレントゲン撮影した写真に2本の線を引いて算出します。
1本は上の方で最も傾いている椎骨の上縁から、もう1本は下の方で最も傾いている椎骨の下縁から引いた2本の線が交わる角度を確認します。

(↓フリー画像に大雑把に線を引いてみました↓)

コブ角が10°以上あると側弯症と定義されています。
一般的にコブ角が40〜50°以上となると手術適応になることが多いようです。

ミオパチーならではの側弯のリスク

ミオパチーは筋肉そのものに異常があるため、筋力が弱く、筋肉のハリやボリュームも少ないことが特徴です。

このため、筋肉が本来果たすべき「骨格を支える」という機能が十分に働かず、特に成長期の子どもたちには脊椎(せきつい)が左右に曲がる「側弯症」のリスクが高まります。

背骨を支える筋肉の弱さ

筋肉は背骨を支える重要な役割を果たしています。
通常は背骨を左右から支える筋肉がバランスよく働いて、体をまっすぐ保つことができますが、ミオパチーの子どもたちは、この力のバランスが崩れやすいのが特徴です。
このため、背骨が片方に引っ張られたり、支えきれなくなったりして、徐々に曲がってしまいます。

神経と筋肉の連携の問題

ミオパチーでは、筋肉を制御する神経の働きが弱いこともあります。
このため、筋肉が効率的に収縮・弛緩できず、姿勢を安定させることが難しくなってしまいます。
筋肉と神経の連携がうまくいかないと、特に動作中や静止中に正しい姿勢を保てなくなりますので、側弯症の進行につながることもあります。

成長期のリスク

私たちの成長期には、骨が急速に伸びますが、ミオパチーの子どもたちは筋肉の発達が追いつかず、骨格を支える力が不十分になりがちです。
このアンバランスさが原因で、背骨が曲がりやすくなり、特に思春期に側弯症が急速に進行することがあります。

このように、側弯になりやすいというリスクがあるからこそ、早期の発見や予防がいかに大切かが分かります。

小学校1年生から6年生での変化

ネマリンミオパチーの息子の脊柱の5年間の変化です。

小学1年生側弯評価

小学1年生時

小学6年生側弯評価

小学6年生時

1年生の時はわずかに側弯しているのかな?という感じに見えますが、姿勢の影響も考えらるので、明らかな側弯とは言えません。

けれど、6年生になると軽度ではあるけれど左に凸の側弯があることが分かります。

5年間かけて、ゆっくりと進行していったのかな…というショックな状況ではありますが、これ以上進行させないこと、あわよくば改善を狙っていくというところが私たちのテーマになりそうですね。

すぐできることとしては、不良姿勢をちょっとでも減らすこと。

親から見て気になる現在の姿勢についてをざっと上げるとこんな感じです。

  • 足を組んで、骨で姿勢を支える
  • 片方の腕で頬杖をつく
  • 椅子に座った状態で立膝をたてる
  • 床に座った時に足がアルファベットのWのようになる(トンビすわり)
  • 立膝をした足に顎を載せて固定する
  • 椅子に座った時に左手を座面について体の支えに使う

体幹が弱い子あるあるですよね…💦

側弯の進行防止を考える上ではどれもNGなので、この姿勢をとらなくてもよいような環境を作っていかなくてはなりません。

姿勢のサポート

側弯症の進行を防ぐためには、早期発見と早期治療がとっても大切です。

神経科の先生の話では「過負荷も良くない」、つまり頑張りすぎも駄目よ、ということだったのですが、無理のない範囲で日常生活を継続していくこと日ごろの姿勢に気を付けていくことも必要。

なので、まずは座った時の姿勢を少しでも整えていく環境設定から始めていきたいと思います。

一般的な考え方ではありますが、
子どもが努力して姿勢を保つ、というのではなくて
望ましい姿勢が保てるような環境を提供する、という方が100倍大切ですよね。

現在、学校で使う椅子&自宅での食事に使う椅子について比較検討中なので、またこちらでも紹介したいと思います^^

よかったら楽しみにしていてくださいね!