先天性ミオパチー PR

先天性ミオパチーとは?親が知っておきたい病気の概要

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国の指定難病の1つである先天性ミオパチーという病気について、「知ってるよ!」「聞いたことあるよ!」という方はまだまだ少ないです。

先天性ミオパチーは希少疾患の一つであるため、正確な国内での頻度は不明とされていますが、推定患者数はおよそ1000名程度と見積もられています。

10万人あたり3.5~5.0人という数字になるそうで、診断までに時間がかかるケースも少なくありません。

わが家の長男も、赤ちゃんの頃からあれこれ兆候は見えていたのですが、確定診断がついたのは小学校入学前でした。

今回は病気の概要や治療日常生活の工夫、そして同じ境遇の家族に向けたメッセージをお届けします。

少しでも多くの方々がこの病気に対する理解を深め、適切な支援や共感を得られることを願っています。

先天性ミオパチーとは

先天性ミオパチーは、筋肉細胞の形態に問題があり、筋力低下を伴う病気です。
子どもの場合「筋力が弱い」「首のすわりが遅い」「歩行獲得が遅い」といった、運動発達の遅れで気づかれることが多いです。一方で、成人してから症状を自覚するケースもあります。

主な症状は筋力低下ではありますが、それにともなって呼吸障害、心臓合併症、関節拘縮、側弯、発育・発達の遅れ等がみられることもあります。

緩やかな進行性の経過をたどるとされており、成長と共に症状が悪化することもあります。

筋肉に関わる遺伝子の異常によって病気が引き起こされるので、確定診断には筋生検や遺伝子検査が用いられます。

我が子にこのような病気があると知った時のショックは計り知れませんが、正しい知識を持ち、病気を理解することで、子どもたちへの適切なサポートを検討することができると考えています。

先天性ミオパチーの症状

先天性ミオパチーの症状の出方は、個々の子どもによって大きく異なります。
また、体のどの箇所に強く症状が出るかによって、生活のどんな場面で困難が出てくるかは様々です。

先天性ミオパチーに共通した症状には以下のようなものがあります。

筋力・筋緊張の低下(フロッピーインファント)

赤ちゃんの頃から筋力の低下や筋緊張の低下が見られ、成長過程において運動発達の遅れや筋力低下を認めます。

「フロッピーインファント」とは、いわゆる低緊張の状態のことで、体が柔らかくぐにゃぐにゃしているように感じる赤ちゃんを指す言葉。余談ですが、私はフロッピー(カエル)という言葉がなんか嫌だったなぁ。

筋力や筋緊張が低下すると、動きに影響が出ることは簡単にイメージできると思うんですが、実は筋力低下は身体のいろんな場所で起こります。

例えばわが家の子どもたちは、手足体幹以外ではこんなところにも影響が出ています。

顔周りの筋肉

  • 瞼が閉じづらい(新生児期は目を閉じても半目になってた)
  • 口がぽかんと開く(幼児期はよだれが大量に出てしまうことも…)
  • 舌の動きが弱いため言葉の明瞭度が低くなる
  • 顎が発達せず細いため、歯が密集して生えて歯並びが悪くなる

呼吸筋

  • 呼吸が浅い
  • 痰が出しづらい
  • 肺炎を起こしやすい

そのほかには、心筋に影響があったり、不整脈が出ることもあるようです。

深部腱反射の減弱・消失

膝の下あたりをゴムのハンマーででコツンと叩くと膝がぴょこっと上がる。
そんな場面を見たことのある方は多いかと思いますが、これは膝の腱の反射を見る検査です。

先天性ミオパチーでは反射機能が弱まったり、消失するケースが多くみられます。

高口蓋

口蓋というのは上あごの天井の部分です。
通常は緩やかなくぼみのようになっていて、舌がその位置に収まると思います。
高口蓋というのは、この口蓋が溝のようにとがったテント型になっている状態です。

長男も次男も、赤ちゃんの時に母乳がしっかり飲めないことで、高口蓋に気が付きました。

赤ちゃんは舌で口蓋に乳首を押し付け、母乳を絞り出して飲んでいるよ!
溝が深いとしっかり押しつけられないから、吸っても母乳が出てこないんです。

高口蓋は自然に治ることもあるようですが、ミオパチーの子は口腔機能の発達が遅れがちで残ってしまうことも多いように思います。(母の所感)

関節の障害や変形

一般的に関節拘縮や側弯などが起こりやすいと言われています。
もちろん、それらは十分注意して予防していく必要がありますが、私が子どもたちを見ていて気になるのが、関節のやわらかさです。

関節の柔軟性が高いと言えば聞こえはいいですが、筋肉での固定が十分にできないので、通常ではありえない範囲まで関節が動いてしまいます。

関節を痛めやすい、というリスクが高いので、例えば足関節を少し固定できるような靴を選んだり、肩関節が脱臼しないように動きに気を付けるよう教えたり、ということも大事かなと思っています。

摂食や嚥下の障害

口腔の筋肉が弱いため、食べ物を咀嚼して、ごっくんできるように舌で送り出す、といった一連の動きがスムーズにできない子が多いです。

また、嚥下(飲み込み)がうまくできないと、食事中にむせたり、せき込んだりもします。嚥下の力が弱いと、本人も気が付かないうちに唾液がのどに流れ込んでしまうので、肺炎を起こすこともあります。

先天性ミオパチーの重症度

先天性ミオパチーは、同じ型であっても重症度はかなり幅広いです。
生後すぐに呼吸障害が認められ人工呼吸器の適応になる場合もあれば、軽症のため活動量が増える幼児期以降になって病気に気づくこともあります。

おおまかには乳児重症型、良性先天型、成人型に分けられています。

症状が強く出る箇所には、個人差があるため、それによっても重症か軽症かは変わってくるような感じがします(子どもたちを見ていて、私が勝手に感じていることですが)。

不思議なことに、重症度は病理学的検査の結果とあまり相関性がないとされており(別記事で解説)、一人ひとりの日常生活を詳細に診ていくことが大切だと思います。

先天性ミオパチーの経過

ミオパチーの症状は生涯にわたって持続します。
進行は比較的ゆっくりであると言われていますが、イベント(過度の疲労や別の病気など有害な事象)の発生で急激な進行が認められることがあるようです。

だからこそ、早期発見が大切なんです!!

そして日ごろからの適切なケアが、子どものQOL(生活の質)を大きく左右します。

子どもたちの多くは移動や姿勢のサポートが早期から必要ですし、感染症などにかかると体調が急激に悪化する可能性があるため、健康管理や周囲からのサポートが欠かせません。

療養のために保育園や学校などを長期に休むことがあれば、学習面や精神的なサポートも必要になるでしょう。

私たちも日々の生活で小さな工夫を積み重ねながら、子どもにできる限り安心・安全な環境を提供するよう心がけています。

親としての不安は尽きませんが、医師をはじめとするチームでしっかり連携を取りながら進めていくことが大切です。

ミオパチーの子を持つ親御さんたちへ

この記事では、先天性ミオパチーについて母親の視点を加えつつ、病気の概要についてお伝えしました。

先天性ミオパチーは親として深い悩みや不安を伴う病気ですが、適切な治療とサポート、そして周囲の支えがあることで、子どもたちはより良い未来を描くことができると信じています。

私たち家族も、日々病気と向き合いながら進んでいます。

いわゆる「難病」に関する情報がまだまだ少ない中、少しでも多くの方にこの病気について知っていただけることが、今後の子どもたちの未来に繋がると信じています。

また、同じ状況にある親御さんたちが孤立せず、情報を共有し、支え合える場を増やしていけることを目指しています。

私たちは子どもたちの可能性を信じ、できる限りのサポートをし続けていきます。

どんなに困難な状況であっても、家族としての絆を大切にし、明るい未来を見据えて、共に歩んでいきましょう!

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